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吉村 公男; 杉本 雅樹; 吉川 正人
no journal, ,
イオンビームを用いた単一粒子ナノ加工技術によるナノファイバー作製工程に放射線グラフト重合法を応用し、得られるポリカルボシラン(PCS)ナノファイバーあるいはSiCナノファイバー表面に、金属元素の持つ触媒能等の機能性を付与する技術開発を試みた。従来実施してきたスピンコート法によりシリコン基板上に形成した0.21.0mのPCS薄膜に、450MeVのXeイオンビームを照射した後、その薄膜中に直径約7nmの円筒状架橋部を形成した。これまでのナノファイバー作製工程では、これを溶媒に浸漬してPCSナノファイバーを作製してきたが、溶媒として液状グラフトモノマーとして使用されるメタクリル酸グリシジルを用いたところ、溶媒に可溶な未架橋部が除去されると同時に円筒状架橋部へのグラフト重合反応が進行し、直径約20nmのグラフト化PCSナノファイバーを得ることに初めて成功した。グラフトさせたメタクリル酸グリシジルは、官能基変換により金属配位部位を導入できるため、これまで困難であった触媒金属等をPCSナノファイバー表面に付与することが可能となる。今回の発表ではグラフト重合を行いながら溶媒抽出する工程について発表を行う。今後、高分子ナノファイバーとしての性質、並びに焼成転換後のSiCナノファイバーとしての性質を調べる予定である。
井上 愛知
no journal, ,
イオンハンマリングを改質原理としたイオンマイクロビームによる酸化物材料の三次元加工法の確立を目的とし、溶融及び合成石英ガラスの構造収縮挙動とイオンビーム照射条件の関係を調べた。溶融石英ガラスに最大15MeVのOイオンを照射したところ、照射部における構造収縮量は照射量の増加とともに増加し、照射量が210ions/cm付近で飽和する傾向がわかった。入射イオンの飛程に対する構造収縮率の飽和量及び飽和するまでの増加挙動ともに、入射エネルギーに関与せず一定であった。これらの結果と、Heイオンによる結果を比較したところ、構造収縮挙動のイオン種依存性は電子励起及び核衝突過程のどちらによっても説明できなかった。次に、溶融石英及び合成石英における構造収縮挙動を比較したところ、構造収縮が発現し始める照射量にのみ違いが見られた。そのときに生成される酸素欠陥に由来するイオンビーム誘起発光(波長440nm)挙動とは相関がないことも認められた。これらのことより、イオンハンマリングは電子励起及び核衝突に依存する欠陥生成過程とは異なり、励起される構成原子数に依存する熱的作用により発現することが示唆された。
川口 和弘; 高廣 克己*; 吉村 公男; 山本 春也; 吉川 正人
no journal, ,
金属ナノ粒子は、その量子効果によりバルクとは異なる物理的特性を示すが、その一つに局在型表面プラズモン共鳴(LSPR)がある。本研究は、金属ナノ粒子表面への水素化物の吸着により、LSPR吸収ピークが変化する現象を利用し、光学的に水素化物を検知するナノ材料の創製を目指している。そこで、金属ナノ粒子サイズや形に強く依存するLSPRの効率的発生を目指し、MeV領域のイオンビーム照射によるAgナノ粒子の形態制御の可能性を調べた。実験では、マグネトロンスパッタリング法により石英基板上にAgナノ粒子を蒸着形成した後、16MeV酸素イオンを照射し、原子間力顕微鏡による表面観察を行った。その結果、照射量: 110cmでAgナノ粒子径が約20nmから30nmへと増大するとともに、サイズ,形状の均一化が確認できた。また照射量が増えるとともにLSPR吸収ピークの低波長側へのシフトやピーク幅の減少も観測され、Agナノ粒子の形態及びその光学特性の制御がMeV領域のイオン照射によって可能であることがわかった。